この人は東大の文系の学科にいたのですが、大学2年生のとき(1998年)ですから弱冠18か19歳で学外活動の一環としてバングラデシュを訪れたそうなんです。そこで貧困や飢餓というものの現実を見たんですね。その強烈な体験が、出雲さんが株式会社ユーグレナを起こすきっかけになったんです。そして帰国から2年後、鈴木さんという農学部の学生と、彼が研究していたユーグレナとの出会いが出雲さんのその後を決定しました。
- 鈴木さん(現在、株式会社ユーグレナ・研究開発担当取締役)はユーグレナ、日本名ミドリムシのほうがなじみ深いと思いますけど、その研究をしていたんですね。ユーグレナは地球に二酸化炭素が多かった頃に、地球の酸素を増やすために生まれてきたような微生物。二酸化炭素を減らしてくれる能力を活用して地球の環境問題解決に役立てられないか?また、その栄養素が動物性と植物性の両方を持っていて、高タンパク・高食物繊維なおかつすごく低カロリーで野菜の代わりにもなるということで、それを大量生産したらどんな開発途上国の飢餓もなくすことができるのでは?そんな壮大な夢を持ってユーグレナのビジネスに取り組む決断をしたそうです。
- ただ、当時は世界で誰もユーグレナの大量培養を成功させた人はいなかったんですね。いったい何がネックでできなかったのってきいたら、清純無垢な水の中でしか育たないということなんです。ちょっとでも無菌状態じゃないところで育てると、強い菌に食べられちゃうんですって。だからそれをクリーンルームいわゆる無菌室じゃないところで大量培養をやっている人はいなかったというわけなんです。
それでも彼は鈴木さんと一緒に走ってきたの。一生懸命ユーグレナの話をしだすともう10時間くらい話すんだって。ああしよう、こうしようって。クリスマスイブに、ちょっと手土産持って鈴木さんの家に話をしに行ったんだそうです。そしたら周りの人たちからホモと間違えられたんだって!たしかに男二人で過ごすか~!みたいなね。
- でもユーグレナ栽培を無菌室でやるんじゃなくてアウトドアで、大きなタンクでやるという方法を開発しなければならないでしょ。クリスマスもお正月もなしで二人が話して話して話しまくったんですって。それでユーグレナの高い栄養、二酸化炭素の固定能力そして二人で情熱が幕末の志士みたいな感じで結びついたと。もうひとり三銃士じゃないけどね、あまりにも熱く語る出雲さんの夢に共鳴したのが、当時、機能性食品を販売する会社を経営していた福本さん(現在、株式会社ユーグレナ・マーケティング担当取締役)。この人も加わって三人で会社をつくったんだって。2005年に。会社をつくったときに大量生産の方法はわかっていたんですかってきいたら「全然分かっていない」と。クリーンルームでしか作れない状態で会社つくっちゃったんですって。それは無謀だよね。ずいぶん度胸がありますね。